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FAILURE STORY

挫折を経験したことのない者は何も新しいものに挑戦したことがない人間だ。困難な中にこそチャンスがある。ですから落ち込んでいる暇などないんですよ。

       (アインシュタイン)

あれは、高校の時で、まだ友達のギターを借りて一生懸命練習していた頃でした。金も無く、それでも女の子にもてたくて 既に活動していたバンドに、何とか サイドギター担当で入れてもらいましたが、満足にギターを弾ける訳でもなく、コンサートなんて勿論出た経験も無かったんです。それでも私なりに、一生懸命練習しておりました。その内 タイトルは忘れましたが、〇×コンサートに我々のバンドも出場する事になったんです、意気揚々とその会場へ行き、ステージに上ったところ、客席にはお客さんが大勢!!!おまけに女の子も・・・すっかり舞い上がった私は、使った事も無い大型のアンプを前にウロウロして、やっと新品の赤いギターコード(以下Gコード)を繋ぎました。そしたら係の人から“何やってんの!そこでは無くこっちにGコード繋いで”と言われ 頭が真っ白になりやっと繋いだGコードを抜いたんです。その時、Gコードが何故か足に絡まってしまい そのGコードを更に足で踏んづけったしまったんです。Gコード(シールド)は繊細なもので、力が加わると切れてしまい(昔の物は今より弱い?)ギターからの信号がアンプへ行かなくなり、結果ギターの音はアンプから出なくなります。私がステージで困っていると、バンド仲間が “どうした?” “どうした?”と心配で駆けつけてくれたんですが、仲間にギターコードを踏んづけて切ってしまった事を説明するのに、何故かメンバーの持っていたギターコードを、自分の足で踏んづけて現場説明してしまったんです。その時のヴォーカールが放った “ アァ~ア ”の一声が 会場に響き渡りました! 勿論マイクを通じて!!その後は、皆さんの予想通り 自分の分しか持っていなかった貴重なGコード2本を切ってしまった私は、平身低頭で他のバンドから文句を言われながらGコードを借り、メンバーに配り演奏しました。演奏の結果?・・何て聞かないで下さい、皆さんのご想像の通りでした。。今では、笑える思い出でしたが とても貴重な初ライブでした、ギターアンプやヴォーカル用のアンプベースアンプなんてとても手が出ない時代でしたから、滅多に使った事が無く 使い方も良く知らない青春でした。やっとの思いでギターを買ってもアンプが無い・・・ざらでしたネ。その影響でもないけど、ライブで使う工具箱には、いつもGコードが5本以上入ってま-す。1本1万円前後のGコードも有り、持っている人も多いんですヨ!。    

初めてのライブの後、色々なコンサートに招かれて、少しは上手になっていると思っている頃でした。メンバーが某〇〇局のクリスマスダンスパーティのバンド話しを持って来ました。我々は、このチャンスに興奮状態で 即OKしました(ギャラも入る)。 

勿論 一生懸命当時流行していたハードロックやポップスを練習をして、会場ではレコード並みにギンギンに演奏して‟あの人格好イイ”“名前を教えて!”とか若い子にワァワァキャアキャア言われ、ゴーゴーを踊ってくれるんだろうナーって想像して、初めてのクリスマスパーティに借りられるだけのアンプを借り出陣しました。そうです、 パーティはパーティなんですがダンスという文字が入っている、このパーティは、いわゆる社交ダンスである事を すっかり忘れ、勘違いし、勝手に思い込みをしていました。 

パーティ開演の幕が上がり、一曲目にストーンズのサティスファクションを演奏しました。リードギターはファズ(エフェクター)を掻き鳴らし、私はサイドギターで格好を付けて弾いていました・・・パーティ会場の真ん中は広く空けてあり、誰も会場の真ん中には居ません、パーティに集まったお客さんは、壁に寄り添ったまま 唖然として我々を見ていました。我々を呼んでくれた人が、‟あのねロックも良いけど、皆そういうのを知らないからダンスが出来る曲をやってくれない?”・・・・・ もう後は大変でした!!何で!何で!良く見ると、お客さんは30か40歳代の人が多く、我々の年代の人は居ない様でした。会場の人に聞くと‟マンボ、ジルバ、ブルースが良い”というので、我々は急遽 井戸端会議と相成りました。‟ マンボ? ジルバ? ブルースは? ” てな具合で 結局ジルバが踊れるアメリカンPOPSのStop The Musicを4回も演奏するハメに、また‟ブルースをやれ!”のお客さんの声に、CCRのI Put A Spell On You を出来る限りスローで演奏・・これも3回ほど演奏・・格好悪いのと 疲れたのと!お客さんに申し訳なくて!お客さんは取敢えず 踊ってくれましたが、二度と○〇局から演奏依頼は有りませんでした。 

我々の演奏する曲は誰でも知っていて、そして演奏を聴いて、ゴーゴーでも踊ってくれると勝手に思っていましたが、お客さんの“目的は何か”を良-く理解しないと盛り上がってくれません。 また、演奏も自己満足ではダメですネ。*教訓‟ 我々が勝手に考えている事は誰からも支持を得るもんだ!は大間違い。  世の中には色んな人が居ます。お客さんの‟目的”を理解する事が重要であり、少しぐらい演奏が出来ても決して天狗になってはいけないとつくづく思いました。  

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